
賃貸で採寸すべき箇所はどこ?チェックリストの使い方も紹介
賃貸物件を探す際、気になるのは「家具や家電がちゃんと入るのだろうか」という心配ではないでしょうか。実際、採寸不足が原因で、思った通りに家具が入らず引っ越し後に困ってしまう方も少なくありません。この記事では、内見時に必ずチェックしておきたい採寸箇所と、持っていくべき道具、効率よく採寸するコツまで分かりやすく解説します。初めて賃貸物件を借りる方も、これを読めば安心して内見に臨めます。
採寸が重要な理由と準備する持ち物
賃貸物件で採寸が重要となるのは、家具や家電の搬入時のトラブルを防ぎ、実際に生活を始めたときの安心感につながるためです。間取り図上では収まりそうに見えていても、玄関や廊下の幅が狭く、思ったような配置ができないことがあります。そのため事前に各寸法を正確に測っておくことが不可欠です。
採寸を効率よく行うために用意すべき持ち物としては、次のようなものがあります。メジャー(スチールタイプのものが持ち運びしやすく測定精度も高いです)、間取り図(物件概要書面に添付されていることが多いですが、自分用にコピーを用意するのが安心です)、筆記用具(測定結果を書き込むため)、スマートフォン(撮影、ライト、方位測定、水平器のアプリ等が活用できます)などが挙げられます。
現地で忘れがちな持ち物としては、手持ち家具のサイズをあらかじめ測っておくことも含めて準備しておきましょう。そして、採寸当日はそれらの持ち物がすべて揃っているかをチェックリストで確認できると安心です。
| 持ち物 | 役割 |
|---|---|
| メジャー(スチール製) | 正確な寸法の測定 |
| 間取り図のコピー | 測定結果や気になる点の記入 |
| 筆記用具 | 測定数値やメモを記録 |
採寸すべき主要な箇所一覧
賃貸物件の内見時には、後悔しないためにも以下の「採寸すべき主要な箇所」をしっかり確認することが大切です。それぞれのポイントを押さえて、家具家電の配置や生活動線に支障がないかチェックしましょう。
| 採寸箇所 | チェックすべき内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 窓(カーテン用) | カーテンレールの固定ランナー間の幅、高さ(ランナーから床 または窓枠下) | カーテンサイズを適切に選んで、光やプライバシーの調整ができるようにするためです。 |
| 洗濯機置き場(防水パン) | パンの内寸、蛇口や排水口の位置 | 持参する洗濯機が設置可能か、かつ給水・排水に問題がないかを確認するためです。 |
| 冷蔵庫置き場 | 幅・奥行き・高さ、放熱スペース(左右1cm 以上・上部5cm以上)、扉の開閉余裕 | 安全に使用できること、扉が十分に開くことを確保するためです。 |
| ガス台 | 設置可能な幅(約60cm やコンパクトタイプ対応か)、ガスソケット位置 | 自分の使いたいコンロが設置できるかを判断するためです。 |
| 玄関・廊下・ドア(搬入経路) | 幅・高さ、ドアノブの出っ張り込みの開口寸法 | 大型家具や家電が搬入できるか、経路で詰まらないかを確認するためです。 |
上記の採寸箇所は、どれも内見の段階で必ず測っておきたい重要ポイントです。例えば、窓はカーテンレールのランナー間の幅を測り、腰高窓の場合はランナー下から窓枠下までの高さに約15~20センチを加えるのが適切であることも確認されています。掃き出し窓についてはランナー下から床までの長さからマイナス1センチ程度が目安です。
洗濯機置き場では防水パンのサイズと蛇口・排水口の位置を確認し、特にドラム式洗濯機など大型機種が入らないことがあるので注意が必要です。冷蔵庫置き場では、左右に最低1センチ、上部に5センチ以上の放熱スペースを確保し、さらに扉が90度以上開くかどうかも測っておきましょう。
ガス台は幅が約60センチの標準タイプに対応しているかを確認し、自前のガスソケットとの互換性(位置)もチェックしておくと安心です。また、玄関や廊下、ドアの幅・高さは、搬入経路の通過性を判断するために不可欠です。特にドアノブの出っ張りも含めて測定することが推奨されています。
さらにチェックしておきたい採寸箇所
内見の際には、図面だけではわからない細かな部分にも目を向けておくことが大切です。特に収納の内部や構造の凹凸、電源位置などは暮らしや家具配置に影響します。
| チェック項目 | 測るべきポイント | 理由 |
|---|---|---|
| 収納内部(クローゼット・押入れ) | 幅・奥行き・高さをすべて測定 | 衣装ケースや収納用品が収まるか確認できるため |
| 間取り図にない柱や凹凸部分 | 突起の位置とサイズを採寸 | 家具配置の妨げにならないか確認するため |
| 電源・テレビ線などの位置 | コンセントや端子の位置・数を記録 | 家具や家電の配置、配線計画に必要だから |
まず、クローゼットや押入れの内部は、幅・奥行き・高さを正確に測りましょう。奥行きが浅いクローゼット(おおよそ50~60センチ)と比べて、押入れは奥行きが約80センチと深い構造になっているため、持っている収納用品が入るか確認する基準になります 。
次に、間取り図に描かれていない柱や部屋のへこみなどの構造部分にも注意が必要です。実際に家具を並べてみたら柱が邪魔になり、配置の自由度が低下するおそれがあります 。
さらに、コンセントやテレビの端子など電源関係の位置と数も忘れずに採寸して記録しておきましょう。家具や家電の配置だけでなく、配線の取り回しにも関わるため、間取り図に書き込んでおくことで引越し後に困ることがなくなります 。
これらの採寸情報を事前に正確に把握することで、入居後のレイアウトに余裕ができ、ストレスのない快適な生活が実現できます。
効率的に採寸を進めるコツ
採寸は正確さとスピードの両立が大切です。スマートフォンの測定アプリとメジャーを併用すると、手早くなおかつ正確に寸法を記録できます。たとえば、スマートフォンでは「計測」アプリや類似ツールで大まかな寸法を素早く把握し、詳細な数値はメジャーで補うと安心です。また、間取り図に直接記入しておくと後で見返す際に分かりやすくなります。
現地ではチェックリストやテンプレートを用意しておくと、見落としが防げます。たとえばPDFやエクセル形式のフォームをあらかじめ準備しておき、その場で記入しながら進めるのがおすすめです。記録を取りながら次の内見準備も同時に意識でき、効率的です。
採寸やチェックを含めた内見には時間配分が重要です。一般的に、物件1件あたりの採寸・内見には約20分から30分程度を要します。物件のタイプによって前後はありますが、この目安をもとにスケジュールを組むと無理なく内見を進められます。以下に物件タイプごとの目安時間をまとめました。
| 物件タイプ | 目安時間 | コメント |
|---|---|---|
| 1K・1R | 約30分 | 小規模で採寸項目が少ないため短時間で完了します |
| 1DK~2DK | 約35分 | 収納や動線も含めてしっかり確認すると少し時間がかかります |
| 1LDK以上 | 約45分 | 部屋数が多く、寸法も多いため余裕を持って行動しましょう |
この時間配分を踏まえると、1日に巡る物件は3件程度に抑えるのが安心です。物件間の移動時間や記録の整理時間を考え、余裕あるスケジュールを組むとストレスなく採寸できます。
まとめ
賃貸物件を選ぶ際、採寸は新しい暮らしを快適に始めるための大切な準備です。家具や家電の配置に無理が生じないよう、事前に必要な持ち物をそろえ、主要な採寸箇所をしっかり確認しましょう。窓や冷蔵庫置き場、玄関だけでなく、収納やコンセントの位置も把握しておくと安心です。効率よく進めるためには、チェックリストやメジャーを活用し、限られた内見時間の中で必要な記録をきちんと残すことが重要です。丁寧な採寸で後悔のない物件選びを実現しましょう。



