賃貸物件は、原状回復義務が発生するため大規模なリフォームをすることが難しく、自分好みの部屋にすることが至難です。
この記事では、原状回復が不要もしくは軽微で済むようなDIYのアイデアを、特に『リビング』『キッチン』『玄関』に絞って紹介していきます。
寝ている時間を除けば、一日のなかで一番過ごす時間が長くなるリビング。
このリビングを自分好みに仕立てることで、満足感の高い有意義な時間を過ごせるでしょう。
部屋において、視界に入る大部分は「壁」で構成されています。
壁紙を自分好みにアレンジできれば、心が弾む楽しい時間を過ごせるはずです。
「でも壁紙の張り替えって何だか難しそう」
「張り替えたら退去のときに、元の壁紙に戻さなくてはならないのでは?」
そんなあなたの疑問をしっかり解決します。
■壁紙の張り替えや原状回復は実は簡単…?
一昔前までは、壁紙のDIYは非常に難しいものでした。
そもそも壁紙は、建物の下地に対しのりで張り付けられており、張り替えるとなると一度剥がして施工する必要があります。
のりは非常に強力で、慣れた職人さんでも綺麗に剥がすために時間を割いています。
なぜならば綺麗に剥がさないと、張り替えたときに凹凸ができてしまうからです。
しかし、この壁紙の張り替えに革命が起き『壁紙の上に壁紙を張る』ということが可能になったのです。
また、施工方法も大きく変わりました。
これまでは、下地にのりを塗り乾く前に壁紙を張るのが一般的でしたが、最近は壁紙自体にシールが張られているものが販売されています。
これにより、施工前にシールを剥がし張るだけの、たとえるなら両面テープを張るだけの作業で済むようになりました。
さらにこのシールタイプの素晴らしいところは、張るだけではなく簡単に剥がせるように工夫がされている点です。
これなら賃貸物件の原状回復義務を気にすることなくDIYをすることができますね。
室内全体の張り替えも簡単にできますが、特にリビングには「アクセント張り」がおすすめです。
アクセント張りとは、壁面の一面だけをデザイン性の高い壁紙に張り替えることで、部屋の印象を大きく変える手法を指します。
木目調やタイル調で北欧系の部屋を演出したり、差し色を取り入れることでカフェのような仕上がりにしたりすることも可能です。
アクセント張りは、リビングの他にもキッチンや玄関などにも用いられる手法です。
こうしたDIY用の壁紙は、インターネットでの販売の他、ホームセンターなどでも取り扱われています。
実際に手に取ると完成後の室内イメージがつきやすいので、インターネットよりもお店での購入がおすすめです。
ただし、壁紙はその商品の性質上大きな荷物となることも多く、車など持ち運び手段がない方はインターネットでの購入が良いでしょう。
※壁紙の上に壁紙を張る工法は、一般的にDIYなど素人の方向けに生み出された方法です。
賃貸物件のように原状回復が必要な場合には有効ですが、一般家庭などそもそもリフォームが可能な場合には壁紙を剥がして張りなおす方法をおすすめします。
壁紙と併せておこないたいのが、床のDIYです。
「床の持つ雰囲気は部屋全体の雰囲気に繋がる」とも言われ、自分好みの空間を演出するためには避けては通れません。
でも、安心してください。
壁紙のDIYと同様、床にもさまざまな商品が改良されDIY用に販売されています。
ここからは床のDIYの代表的な2つのパターンを紹介します。
■上張り:既存の床の上に張り付ける手法
壁紙と同様、剥がしてから施工するのではなくその上に張り付けることで、部屋の雰囲気をがらりと変えます。
手間なくお手軽に部屋の雰囲気を変えることができるので、DIY初心者に人気のアレンジ方法です。
注意点としては、床の厚みが増すため玄関まわりやキッチンなど、扉がある場所では開閉ができなくなる可能性があります。
■フロアマットを利用する
ジョイント式のマットを組み上げて、床の上に設置するアレンジ方法です。
特別な知識は必要なく、気分や季節に合わせてマットを変更することで部屋の雰囲気があっという間に変わります。
ただし、上張り同様こちらも厚みが変わるため、玄関まわりやキッチンに設置することは難しいでしょう。
また、厚みの問題をクリアしたとしても、玄関やキッチンなど狭小スペースには設置しにくい問題もあります。
ここからはキッチンスペースのアレンジ方法を紹介します。
難しい知識はいらない、ちょっとした方法で、自分好みの空間に早変わりします。
キッチンというスペースはどうしても狭小になりやすく、さらに扉で仕切られている場合には窮屈な圧迫感を感じる方も少なくないでしょう。
意外な盲点として、このキッチン扉を外してみる手法があります。
扉は大抵の場合、ドライバー一本あれば外すことが可能です。
扉が一枚ないだけで印象はかなり変わります、ぜひ試してみてください。
「ウォールステッカー」という商品があります。
その名のとおり、壁に張るシールで簡単に剥がすことも可能です。
キッチンの壁やタイルに合わせて、空間をかわいく仕上げることができます。
また、冷蔵庫や電子レンジなどの家電にも、ちょっとしたアクセントをつけることができます。
玄関は、室内で来客が一番はじめに目にする空間です。
ちょっとしたアレンジで来客の心を掴むことができますので、参考にしてみてください。
木材の端材を利用して、オリジナルのキーフックや棚を制作することが流行しています。
簡単なものだと、壁に一本木材を添えるだけでおしゃれな写真立て置場にも早変わりします。
「木材の端材なんてうちにはないよ」という方も安心してください。
木材を取り扱っているホームセンターでは、端材を無料で配布してくれるお店もあります(店舗によるため、電話などで問い合わせることをおすすめします)。
また、ホームセンターにはDIY用の棚制作キットが販売されています。
DIY初心者の方はこういったものを利用するのも一つの手でしょう。
先述の床のDIYと似たような話にはなりますが、玄関において靴を置く部分(土間)をアレンジすることで印象を変える手法です。
賃貸においては、コンクリートの打ちっぱなしで素っ気ない印象の土間が多いですが、タイル柄や木目柄など簡単にアレンジできる商品があります。
玄関を開けて一歩目におしゃれな空間が待ち受けていると、それだけで人を呼びたくなりますね。
ちょっとしたDIYでお部屋をスマートに、そしてかわいく仕上げることが可能です。
紹介したアイデアを使って、自分好みのお部屋に近づけてみてはいかがでしょうか。
また、なかには原状回復義務がない賃貸借契約もあります。
もっと大がかりなDIYを考えている方は、DIY可能をはじめから謳い文句にしているお部屋探しをすると良いかもしれませんね。